研究概要 |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1.三次元自動分割データ作成手法を開発し,CADシステムを構築した。 三次元磁界解析のためのデータ作成は,設計者とコンピュータの間の自由度の高いコミュニケーションによって行われ,はじめて解析精度への追求が可能になる。この実現には,自由度の高い三次元自動分割データ作成手法の開発はもとより,マンマシンインターフェイスの開発は必須となり,開発者が視覚的に回転機の最終形状を把握できるためのCADシステムをワークステーションを用いて構築した。 2.三次元磁界解析の自動化,統合化を行った。 電磁機器の動作特性解析の実現のためには,電源電流(電圧),回転子の位置,およびこれらによる三次元磁界の時間的変化の解析を必要とするため,それらに対する各種パラメータの自動化を必要とする。とりわけ,有限要素法を用いた回転機の動作特性解析に用いる回転機の要素分割データは,刻々と変化する回転子の位置に伴って変化させる必要があり,そのデータの作成は,回転機の設計者(ユーザ)の負担とならないよう,自動で行う必要がある。 そこで、同期機や誘導機などの動作原理の異なる各種回転機への対応,また,同期機においては,コギングトルク解析や回転機の立ち上がり特性の解析,脱調時(回転子と電源の同期がはずれた場合)の解析など,誘導機においては,回転機の立ち上がり特性の解析,刻々と変化する回転子に対する動作制御のための解析などを可能にするための仮想設計システムの統合化を行った。
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