研究概要 |
本年度の研究実績は以下の通りである. ・解析結果の高速アニメーション表示 回転機の特性解析において,その諸特性を明確に把握することは,設計開発を行う上で重要である.とりわけ,過渡動作特性解析に関しては,得られる解析結果が連続量として出力されるため,その特性を視覚的に把握することは大変困難である.そこで,動作特性解析時に得ることのできる,刻一刻と変化する回転子の位置やその時の磁束分布,及び回転子に働くトルク特性などの解析結果を,表やグラフ,及び定常時における静止画のみでなく,時刻に応じて連動する動画(アニメーション)として表示することは,その回転機の動作特性を必要とする設計者にとって有意義である.これの実現のため,グラフィック・ワークステーション上で,回転機の設計,動作特性解析,及び結果表示といった一連の解析を速やかに行うことのできる三次元CAEシステムの構築を行った. 今後の研究計画は以下の通りである. ・最適設計システムの自動化 回転機の設計において試作レス設計の利点のひとつに最適設計における各種パラメータの検討が挙げられる.従来の実験による試作・試行の検討に比べ,三次元CAEシステムを用いた各種パラメータの検討では,試作モデルの作成期間やコスト面においても遥かに優れており,特に,小型モータ等においては形状寸法のミクロ単位での検討も,正確にシミュレーションすることが可能である.しかし,開発者が目的の要因に対してコンピュータシミュレーション上で特性を検討することは可能であるが,その中で最も最適な形状・制御方法等を求めるためには,膨大なパラメータについて解析を行わなければならない.そこで,各種最適化アルゴリズムとの速成を可能とした効率の良い最適化手法を開発し,短期間で最適な要因を検討できるような三次元CAEシステムの構築を実現する.
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