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回転子あるいは固定子の歯部に磁気飽和が生じる同期機において、定常状態の空隙磁束密度分布を算定するモデルを提案する。同期機の磁気飽和の影響を、飽和係数あるいはリアクタンスの飽和による変化で表現することも行われるが、飽和の表現としては不十分である。筆者らは、同期機の飽和を表現するモデルとして、鉄心中の飽和部位を特定した上で、巻線電流から空隙磁束を算定するモデルを提案している。現在までに、界磁鉄心胴部あるいは界磁極片端部で飽和が生じる突極型同期機に対するモデルを報告してきた。
本論文では、鉄心歯部で飽和が生じる円筒型同期機を対象にモデルを導く。まず、同期機内部の磁束の流れを磁気回路で表す。この回路では、鉄心歯部の磁化特性から決まる非線形要素が、空隙に沿って連続的に分布していると考える。界磁巻線、電機子巻線の起磁力分布と、飽和で消費される起磁力の関係から、飽和余関数を定義する。これらを用いて空隙磁束を算定するモデルを構築する。固定子歯部にさぐりコイルを取り付けた同期機内部の空隙磁束密度を測定し、モデルの妥当性を検証する。
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