研究概要 |
本年度は,2年計画の初年度として、日常生活における低周波磁界の計測システムを開発するために必要となる基礎的なデータを提供する為の予備研究を行った。 実施した主な研究項目と成果は以下の通りである。 ・新規購入した信号発生装置(3相オプション付き)を電源とする平等磁界発生装置を製作し、その性能が充分達成されていることを確認した。 ・昨年度(平成8年度)の研究成果に基づき、磁束密度ドシメータ1台の設計・製作を行ったが、その性能の確認は時間的制約からできなかった。 ・低周波磁界にさらされた生体モデル内の誘導電流分布特性を検討するために、3次元の偏心2媒質球モデルに対して準理論式を導出した. ・Inpedance法による誘導電流数値解析精度を向上させるために、異媒質境界に電流密度の連続条件を適用した改良Impedance法を提案し、その効果を確認した。 ・上記、2手法を用いて、様々な外部磁界条件やモデル条件で解析・検討を行い、その結果に基づいて、外部磁界の不平等性や位相差、モデルの電気的特性が誘導電流分布特性に及ぼす影響を定量的に示した。 上述の成果は、来年度に計画している実態調査で得られる測定データの解析を行う上で、重要なデータを提供しており、本年度の研究計画はその目的を達したと考える。
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