研究概要 |
本年度は,日常生活における低周波磁界の計測システムを開発するために必要となる基礎的なデータ収集を目的として、低周波磁界にさらされた生体モデル内の誘導電流分布特性を検討した。 主な成果は以下の通りである。 (1) 低周波磁界にさらされた生体モデル内の誘導電流分布特性を検討するために、3次元の偏心2媒質球モデルに対して準理論式を導出した. (2) Inpedance法による誘導電流数値解析精度を向上させるために、異媒質境界に電流密度の連続条件を適用した改良Impedance法を提案し、その効果を確認した。 (3) 上記、2手法を用いて、様々な外部磁界条件やモデル条件で解析・検討を行い、その結果に基づいて、外部磁界の不平等性や位相差、モデルの電気的特性が誘導電流分布特性に及ぼす影響を定量的に示した。 (4) 生体膜の存在を考慮した場合の誘導電流特性を検討し、生体膜の影響が無視できないことを指摘した。 (5) 電界/磁界複合環境における誘導電流特性を検討する為の予備的な計算を行い、電界による誘導電流と磁界による誘導電流の相互関係やその結果生じる総合誘導電流特性の検討に必要性を指摘した。 上述の成果は、来年度に計画している実態調査で得られる測定データの解析を行う上で、重要なデータを提供しており、本年度の研究計画はその目的を達したと考える。
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