研究概要 |
マイクロ磁気軸受のロータと支持軸受(電磁石)の試作のために,直径1.0mmの金属鉄棒から長さ10mmのロータを切出した。ロータ断面は切削加工を行い一様断面にした。また,用いたステ-タとしては馬蹄形を検討し,ギャップを0.5mm程度にした。また,精密加工をする必要性から放電加工を適用した。結果的に,当初の予定通りのロータを試作することができた。 マイクロ磁気軸受の設計のために,ロータと電磁石との吸引力を精密に評価した。吸引力は数ミリN程度と非常に小さかったので,精度の高い電子天秤を用いた。また,微小変位はマイクロメータを用いて与えた。この吸引力測定結果から,制御系の設計に必要な物理定数を得る事ができた。 マイクロ磁気軸受の制御回路として,今までの技術的な裏付けのあるアナログPD制御を試みた。また,このPD制御回路に連結するパワーアンプとして,安定性の良い直流アンプを試作した。このアンプは数kHz程度まで一定の周波数特性を有していた。また,アンプの周波数特性評価にはFFTアナライザーを用いた。また,今回はPWM方式のパワーアンプは使用しなかった。 マイクロ磁気軸受の位置検出を行うために,半導体受光素子を用い,完全非接触の変位検出を試みた。今回は,半導体受光素子の温度特性対策や安定性向上のために,差動信号による位置検出を試みた。また,光源には一様光を用いる必要性から一方向に絞った白熱光を用いた。
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