研究概要 |
マイクロ磁気軸受の評価・検討として磁気軸受の小形化に伴う質量効果を検討した。実験では,磁気浮上した幾種類かのロータ(約0.1g)の目標位置に対する追従特性を評価した。その結果,ロータは約1kHzの高速応答を示した。また,ロータに対してインパルス状の外乱を電気的に与えたときのロータの応答を評価・検討した。更に,マイクロ磁気軸受の電磁力による移動抵抗を評価・検討した。その結果,ロータは約1msの高速応答を示した。これは,先の追従実験における1kHzに相当する結果である。実験では,ロータに永久磁石(PM)を用いたものと,エアタービンを取り付けたものとを用いた。実験では,それぞれのロータを数千rpmまで回転させ,その後ロータの回転数の自然減衰を評価・検討した。タービン付ロータの空気抵抗はPM付ロータの空気抵抗より大きいと考えられたにも拘わらず,実験結果ではPM付ロータの回転減衰はタービン付ロータの回転減衰より大きかった。これは,PM付ロータの磁気的な回転抵抗によるものと結論づけられた。このことから,通常サイズでは問題にならない磁気的な回転抗力は,マイクロ磁気軸受におけるロータの運動を支配する1つのファクターであることが分かった。以上から,マイクロロータの高速回転のためには,磁気抗力に打ち勝つ回転駆動を行い,ロータは2軸あるいは4軸での磁気浮上が有効と結論づけた。
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