研究概要 |
パルスパワーを大気中に置かれた二つの電極に印加すると、ストリーマ状放電が生成される。小電流(mA程度)での研究は、これまで多くの実験がなされてきたが、100Aを超える大電流での基礎的研究はなされていない。本研究は、パルスパワー生成大容量ストリーマ状放電現象を明らかにすることである。この放電の応用分野は広く、火力発電所等の排ガス処理、フロンやダイオキシンの処理、VOCの処理、真空紫外光源等があげられる。 大電流でストリーマ状放電を維持するためには、放電容積を大きく、かつパルス幅を数十nsと短くする必要がある。平成9年度に製作されたパルスパワー生成大容量ストリーマ状放電反応容器を用いて種々実験を行った。パルスパワーのパルス幅が排ガス処理に与える影響を模擬排ガスで調べた。パルス幅が100nsと大きい場合,反応容器の静電容量に充電する時間領域,ストリーマが伝播する領域,大気圧グロー状放電の領域に分かれ,ストリーマ伝播領域で排ガス処理が行われていることを見出した。パルス幅を反応容器静電容量の充電時間とストリーマ伝播時間の和に等しくした時,最も排ガス処理効率が大きくなることを見出した。レーザ誘起蛍光計測によるNO処理の時間的空間的分布を調べる準備を行い,NOからの蛍光の観測に成功した。
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