今後さらに複雑化する電力システムの安定度向上をはかるために、平衡点制御による非線形分散制御の方法を提案してきた。その成果は、 (1)静的解析に基づいて、動的安定領域および臨界故障除去時間t_<cr>を改善できる。 (2)制御器およびリミッタなどの非線形性を考慮し易く、不安定平衡点とリミッタの関係を4種類に分けてゲインを決定できる。 (3)加える制御入力は線形・非線形のどちらの場合でも解析できる。 (4)非線形性による動揺には多モードが含まれるので、非線形制御である平衡点制御により、長周期動揺を含む多モードの制御が行える。 に要約できる。特に平成11年度は、 (a)10機ループ型モデル系統に提案手法を適用した結果、3故障点(F1〜F3)を考慮して制御応答およびt_<cr>を改善し、他の故障(F4〜F30)に対してもかなり有効であることを検証し、その成果をまとめて論文投稿している。 (b)20機串型モデル系統の長周期動揺問題に適用した結果、提案手法は非線形制御であるため動揺モードに依存しない制御効果が得られた。 (c)AVRに加える補助制御入力を非線形としても、その解析は線形とほとんど変わらず簡単でt_<cr>は大幅に改善されることも分かり、その成果も論文投稿している。 の成果となり、提案手法の実用化への基礎が得られたと考えられる。
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