昨年度提案した電力系統における翌日最大負荷の予測のためのファジィ簡略推論を用いる手法を電力会社で実際に観測された1日の最大電力負荷の時系列に適用した。翌日最大負荷需要予測において入力変数として次の4変数、不快指数、曜日、経過日数、年数を用いてきた。実データの翌日最大電力負荷予測に提案法を適用した結果、タブサーチを用いてファジィメンバーシップ関数を最適化するファジィ簡略推論は、他のメタヒューリスティクス手法であるシミュレイテッドアニーリング(SA)や遺伝的アルゴリズム(GA)を用いてファジィメンバーシップ関数を最適化するファジィ簡略推論よりも、高速にかつ高精度に電力負荷予測予測モデルを構築できることが計算機シミュレーションと実データから明らかになった。 さらに、入力変数である不快指数の累積効果をの影響について検討した。翌日の不快指数を決定するの実験式は、当日から4日前までの不快指数の重み和で表現した。ただし、翌日の不快指数に対して当日の不快指数が大きいことから、当日の不快指数と1日前から4日前までの不快指数に2分し、両グループの内分で翌日の不快指数を表した。その際、内分の比率を示すパラメータとしてkを導入した。即ち、翌日の不快指数は、当日の不快指数のk倍と、1日前から4日前までの不快指数の平均値の(1-k)倍の総和で示された。パラメータkの影響を検討するため予測モデルの評価関数及び平均誤差について研究した。その結果、評価関数及び平均誤差に関してk=0.6のときが最も良い結果を与えた。
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