並列進化型計算アルゴリズムを用いた電力負荷需要予測法の研究

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09650331
• 研究機関: 明治大学
• 研究代表者: 森 啓之 明治大学, 理工学部, 教授 (70174381)
• キーワード: 電力負荷予測 / 時系列解析 / ファジィ推論 / メタヒューリスティクス / タブサーチ / 大域的最適化 / 学習システム

研究概要

電力系統における翌日最大負荷予測おいてある電力会社の現場レベルで重要な変数である不快指数の時間遅れ及び過去のデータのファジィ簡略推論モデルへの影響について実データを用いて調査検討した。その結果、当日不快指数モデルの80%と過去不快指数のデータを20%使用し、4日前までのデータを使用する翌日不快指数モデルが翌日最大負荷予測において良好な結果が得られた。
ファジイ簡略推論モデルを用いた翌日最大負荷需要予測の入力変数として次の4変数、不快指数、曜日、経過日数、経過年数を用いてきた。この入力変数を基本として、他の変数として最大気温、最低気温、平均気温、最小湿度、天候の有用性について検討した結果、曜日、経過日数、経過年数に加えて最大気温、最低気温を入力として考慮したモデルが平均2乗誤差に関して良い結果を得た。
昨年度、タブサーチを用いてファジイメンバーシップ関数を最適化するファジイ簡略推論は、他のメタヒューリスティクス手法であるシミュレイテッドアニーリング(SA)や遺伝的アルゴリズム(GA)を用いてファジィメンバーシップ関数を最適化するファジイ簡略推論よりも、高速にかつ高精度に電力負荷予測予測モデルを構築できることが計算機シミュレーションと実データから明確化した。このモデルの精度及び計算効率を向上させるためにタブサーチの解の近傍の分割及びタブレングスの多重化による解の多様化を考慮した並列タブサーチを開発した。開発した手法をテストデータに適用した結果、平均2乗誤差及び最大誤差に関して、並列タブサーチにより最適化されるファジィ簡略推論は他のモデルよりも良好な結果を得た。

研究成果

• [文献書誌] H.Mori,et.al.,: "Accumulation Effect of Discomfort Index for Fuzzy Short-term Load Forecasting"Int'l J.of Engineering Intelligent Systems. Vol.7,No.4. 233-238 (1999)
• [文献書誌] H.Mori,et.al.,: "Fuzzy Short-term Load Forecasting with Accumulation Effect of Discomfort Index"Proc.of ISAP'99. 365-369 (1999)
• [文献書誌] H.Mori: "Recent Trends of Meta-Heuristics Applications in Power Systems"Proc.of 1999 IEEE International Conf.on SMC. Vol.6. 493-496 (1999)
• [文献書誌] H.Mori and Y.Sone: "Fuzzy Inference Models for Short-term Load Forecasting with Tabu Search"Proc.of 1999 IEEE International Conf.on SMC. Vol.6. 551-556 (1999)
• [文献書誌] H.Mori: "Fuzzy Neural Network Applications to Power Systems"Proc.of 2000 IEEE PES Winter Meeting (CD-ROM). 5 (2000)
• [文献書誌] H.Mori,et al.,: "A Parallel Tabu Search Based Fuzzy Inference for Short-term Load Forecasting"Proc.of 2000 IEEE PES Winter Meeting (CD-ROM). 6 (2000)
• [文献書誌] H.Mori: "K.Tomsovic and M.Y.Chow(eds.),"Tutorial on Fuzzy Logic Applications in Power Systems"IEEE Special Publication Catalog Number 99 TP 140-0. 6 (1999)