研究概要 |
まず,イミタンス変換器の基本特性を解明した。共振形インミッタンス変換器の基本構成は,LCLまたはCLCのT形およびπ形と,その他に直列・並列共振回路で成るハイブリッド形ので5種類が考えられる。それぞれ回路は,周波数によって分布定数回路の共振波長に相当する8分の1波長モード,4分の1波長モード,2分の1波長モードがあり,定インピーダンス特性,イミタンス変換特性,インピーダンス無変換特性を示すことが判明した。それぞれのイミタンス変換器は異なった周波数特性を持つが,どの回路においても2分の1波長モードでイミタンス変換特性を使用するとき,整数倍の周波数では特別な特性を持たず,PWMのように高調波を含む場合も支障なく使用できることがわかった。 新しい系統連系インバータは,現在市販されている19キロヘルツの絶縁型高周波リンクを持った出力3キロワットの,太陽光発電系統連系インバータ装置を購入し,連系リアクトルを取り外して新たに製作した特性インピーダンス6.7オームのT-LCL形イミタンス変換器を取り付け,主回路とした。イミタンス変換器は97%の効率を持つものが制作できた。制御回路はDSPを用いたディジタル回路とし,特にイミタンス変換器の動作と整合するように,高周波インバータは正弦波比較の両極性出力のPWM変調を行っている。回路は現在750ワットの電力を系統に供給できており,さらに調整中である。 上の系統連系インバータの回路定数に従って,Pspiceを用いてシミュレーションを行った。イミタンス変換器を使用しているので,高周波PWM出力電圧に比例した電流を系統に供給することができ,系統の電圧が20%のステップ変化をしたときにも電流波形は変化しないことが確認できた。また,PWMの変調度によって太陽電池出力の変化に対応できることがわかった。
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