研究概要 |
本研究は,環境・エネルギー対策を目的として,電動移動車に低価格のかご形三相誘導電動機を採用し,ベクトル制御による高精度可変速運転システムと発電領域における回生エネルギーの高効率回収を目的とする。 1.研究項目に対する検討 (1)電動移動システムに適したベクトル制御・・・バッテリ-駆動によるIPM・PWM・INVの試作により,普通乗用車から自転車に至る駆動システムの実用化が可能となった。ソフト言語として,QMCLを採用した。 (2)始動と停止時を考慮したトルク制御の最適化・・・電動機の特性を十分発揮するため,約250%の最大トルク指令により始動時のトルクと減速時の回生エネルギーを考慮した。 (3)低圧三相誘導電動機の試作・・・定格電圧48V,24Vの電動機を試作し,実験の結果十分実用に共することが可能となった。この電動機は,小型電動移動車に搭載される。 (4)電動機および発電領域におけるエネルギーフローとエネルギー回生・・・減速時および下り坂における回生(制動)エネルギーの利用により,他社方式の駆動システムと比較して遜色ないことが明らかになった。最大回生効率は,40%である。 2.研究成果と今後の研究 (1)この研究成果により,某企業からアシスト形電気自転車が実用化された。 (2)この駆動方式は,身障者用の電動椅子や携帯用カセットタイプのシステムとして研究される予定である。
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