研究概要 |
本研究の目的は、質量分析法と発光分光時空分解法を組み合わせたプラズマ診断装置でプロセスプラズマを同時診断することであり,今年度はそれぞれの診断装置の構築とそれによる予備的な実験を行う計画を立てた。以下にその結果をまとめる。 (1)1段目のイメージインテンシファイアのスイッチング回路を更新して、発光分光時空分解法の時間分解能をこれまでの50nsから5nsとすると同時に,それにともなうデータの取得タイミングの再構築とソフトウェアの改良を行った。また,計算機システムの更新と周辺装置の整備,マッチング回路の追加などによって,0.1〜20MHzのプラズマの診断が可能になった。 (2)GP-IBデジタルバスを利用した計算機をコントローラとする質量分析システムが完成した。プラズマリアクタと分析室の間に設置するオリフィスの製作,試行を繰り返して構造を決め,プラズマリアクタと分析室の間の差圧特性を把握して,最終的にφ0.15と0.2mmの2種類のオリフィスを作り上げた。 (3)主に窒素RFプラズマを対象にして,B^2Σu^+,C^3ΠuのN_2^+とN_2のスペクトラムの時空分解発光プロファイルから発光の種となっているそれぞれの励起分子数密度プロファイルと接地電極に入射するN^+,N_2^+イオンの電源周波数依存性からプラズマ構造の解析を行った。 以上,予定していた1年目の研究計画は達成できた。現在は別々のリアクタを用いて診断を行っているが,質量分析法と発光分光時空分解法の同時診断ができるよう装置の改良を進めて,各種プロセスプラズマ特性の解析をすることが2年目の課題である。
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