本研究のための結晶成長装置を設計・開発した。基本的には、真空装置の中に電流導入端子を2組と、熱電対端子を2組設置した。約5x5mm^2のGaAs試料の電流加熱は、2組の窒素ホウ素板片を用い、互いに十字に交差して配置した。加熱用の電源として、直流安定化電源を使用した。試料に接する反対面に0.1mmのアルメル・クロメル熱電対をアルミナで接着し試料温度を測定記録した。電子式冷接点制御装置を用い、接地から浮いた電圧計の出力をコンピュータに取り込み、長時間にわたる精度の高い温度記録を達成することが出来るようになった。 成長装置の真空度は1x10^<-4>torr程度から、水素あるいは不活性ガスを1気圧で導入できるようになっている。更に将来ペルチエ効果を惹起させる電圧印加も可能である。 予備的実験として、我々の研究した多硫化アンモンによる表面処理を行ったGaAs試料について、溶融実験を行っている。エピタキシャル結晶成長については、進行がいささか遅れがちであった。
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