平成9年度の研究成果で次のような知見が得られた。 1.2個のニューロン型導電性高分子を接続後、そのパス部にモノマーと電解質を含む固体電解質を置きそこに第3電極を設置した。一方の導電性高分子側に入力パルスを印可するときパルスの一部を第3電極に分配することによりパス部の導電率を制御することができた。これによりニューロンのシナプスでの学習効果を導電率の変化として機能さすことができることが分かった。また、溶液を用いずすべて固体からなる模擬デバイスとなり、より実用的となった。 2.ゲルの性質を利用してドーパンド量を制御する方法を用いることにより、第3電極を用いない方法も試みた。パス部のドーパンドの出入りは容易に行えたが、ドープ・脱ドープ量が多く、パス部でのドーパンドの保持が困難であった。これからドーパンドを保持するために外部から別の条件を加えることによりドーパンドの出入りを制御する方法が示唆された。 3.パターン解析としてウェーブレットを用いる方法を開発した。これにより場所の情報や次元スペクトルなどが図式的に表現でき、パターンの複雑さや時間推移が視覚的に理解できるようになった。
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