| 研究概要 |
1. 二次元(ベクトル)磁気特性:
磁界強度と磁速密度ベクトルの関係を基礎とする二次元磁気特性の概念を明確にし,二方向励磁下での磁気諸量のベクトル測定法を開発した。また,この二次元磁気特性の数値モデリングとしてE&Sモデルを提案し,有限要素法とE&Sモデルを結合させて,三相変圧器鉄心及び単相・三相誘導電動機モデルの磁界解析を行い,従来法では得られなかった材料の異方性が磁気諸量分布に与える影響を明らかにした。
2. 局所磁気特性分布:
局所磁気特性分布の測定を可能とするセンサーを開発し,磁束密度ベクトルと磁界強度ベクトルが結晶粒形並びに磁区構造から受ける影響を実験的に明らかにした。また,磁性部と非磁性部の存在する材料にも適用してその磁気特性を明らかにした。さらに三相変圧器鉄心及び三相誘導電動機モデルの磁気測定を行い,局所的磁束密度と磁界強度ベクトル分布を明らかにし,解析結果と比較して良好であることも示した。
3. 二次元磁気ひずみ:
磁気ひずみテンソルの概念とその測定法を明確にした。また,交番磁気ひずみ測定用のストレイン・ゲージを開発し,これを用いて交番磁気ひずみと回転磁界下での磁気ひずみの相違を明らかにした。さらにケイ素鋼板の板厚方向のひずみ(三次元磁気ひずみ)の測定を行い,その振る舞いを明らかにした。
4. 回転バルクハウゼン信号:
回転磁界下で発生するバルクハウゼンノイズの測定を行い,その特徴を明らかにした。この回転バルクハウゼンノイズの分析を行い,カオス的現象を内在していることを示した。
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