マルチ導波光型光機能デバイスとして、(1)マルチモード導波路型、(2)シングルモード導波路アレー型及び(3)導波路間結合型についてそれぞれデバイスの提案を行い、理論的及び実験的検討を行った。 (1)マルチモード導波路型デバイス:マルチモード導波路に部分的屈折率変調を行うことにより、光スイッチとしてのみならず分岐器としても動作させることができる機能光スイッチ(MIPS)を考案した。時間領域差分(FD-TD)法等による特性解析の結果、数十mA程度の電流で20dB以上の消光比が得られることなどが分かると共に、実際にInGaAsP系によるデバイス作製を通して、マルチモード導波路の作製条件並びに基本的な特性を把握した。現在スイッチング動作及び波長変換デバイス等への適用を検討中である。他方、マルチモード干渉導波路集積半導体レーザを考案し、解析により低出射角化やマルチビーム化が可能であることを示すと共に、デバイス作製上不可欠な再成長技術について検討し、良好な結果を得る目途を得た。 (2)シングルモード導波路アレー型デバイス:従来アレー導波路型回折格子より小さい面積で作製可能な多重反射アレー導波路型分岐デバイスを考案した。基礎的な解析を行い、エバネッセント光結合による分岐比の制御が有効であることなどの結果を得た。また、該分岐デバイスをタップに用いたトランスバーサルフィルタのタップ制御について検討を行い、必要タップ数の減少が可能であることなどが分かった。 (3)導波路間結合型デバイス:回折格子を用いた導波路間結合型光フィルタについて、低サイドロブ化のための密度変調回折格子及び偏光無依存化のための斜め回折格子フィルタについてそれぞれ特性解析を行い、デバイス設計指針を得ると共に、作製実験を行い、良好な回折格子が得られるようになった。
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