研究課題/領域番号 |
09650369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
山口 尚 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80064476)
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研究分担者 |
奥村 善久 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30139745)
水澤 丕雄 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20199996)
林 孝広 金沢工業高等専門学校, 講師 (90241223)
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キーワード | 電磁シールド / シールド効果 / シールド材 / 近傍界シールド効果 / 遠方界シールド効果 / シールド効果測定法 |
研究概要 |
1.電磁シールド効果の基本的特性の検討:遠方から到来する平面電磁波に対する平板状無限広さのシールド材のシールド効果(遠方界または平面波シールド効果)は電界・磁界ともに同じ値であり、材質と厚さおよび電磁波の周波数と入射角により決まり、観測点の位置に無関係である。これに対して、シールド材近傍に波源が存在する場合のシールド効果(近傍界シールド効果)は、電界と磁界とでは異なり、また、波源の種類や位置および観測点の位置によっても異なる。さらに、シールド材が有限広さの場合は、面積や形状にも関係する。以上のことから、シールド効果値の評価基準は無限平板に対する平面波垂直入射時の値(遠方界シールド効果値)とすることが妥当であるとの結論を得た。さらに、平板状無限広さのシールド材に対して、波源の基本としての電気ダイポールまたは磁気ダイポールを近傍に配置した場合の近傍界シールド効果と、平面電磁波が到来する場合の遠方界シールド効果の理論的・数値的な換算関係を整理し、明確化した。 2.試料と測定系の小型化に関する検討:シールド効果値の測定に際しては、波源(送信アンテナ)および測定点(受信アンテナ)はできるだけ接近させ、かつ小型試料による近傍界シールド効果値を測定する方が簡便である。シールド材が平板状無限広さの場合は、前述のように遠方界シールド効果値への換算は可能であるが、シールド材を小型化して有限広さとした場合にはさらに換算または補正が必要である。本研究では、無限広さの場合の近傍界シールド効果がシールド材のどの程度の面積範囲の寄与によりおもに決まるのかを調べ、シールド材と波源および測定点の間の距離の短縮とシールド材の小型化のための目安を知ることができた。
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