研究課題/領域番号 |
09650374
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
沈 旭強 理化学研究所, 半導体工学研究室, 基礎科学特別研究員 (50272381)
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研究分担者 |
田中 悟 理化学研究所, 半導体工学研究室, 基礎科学特別研究員 (80281640)
岩井 荘八 理化学研究所, レーザー科学研究グループ, 先任研究員 (40087474)
青柳 克信 理化学研究所, 半導体工学研究室, 主任研究員 (70087469)
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キーワード | 超音速ビーム / GaN / 量子箱 / RHEED / ガスソースMBE |
研究概要 |
短波長発光素子用材料として、III族窒化物半導体が最近、非常に多くの人々の注目を集めている。この系の物質のバンドギャップが室温でInNの1.9eVからAINの6.2eVと可視光全域、及び近紫外域にわたるため、他のIII-V族化合物では原理的に不可能な波長領域、特に短波長領域のデバイスの実現が可能である。我々はこの材料に注目し、ガスソース分子線エピタキシャル法(GSMBE)で(Al,Ga)Nの成長及び評価を行ってきた。 本年度では、我々はGSMBE法でGaN薄膜を成長と評価した。成長には、固体Ga、アンモニアをそれぞれIII族、V族として使用した。Reflection High-Energy Electron Diffraction (RHEED)よる実時間観察を行い、成長中に(1x1)と(2x2)の2種類のRHEEDパターンを見つかった。詳しい分析によると、(1x1)パターンが窒素リッチ表面に対応し、(2x2)がGaリッツ表面に対応することがわかった。GaN薄膜の品質をX線回折、フォトルミネセンスで評価した所、窒素リッチ表面状態で成長した方がよいことがわかった。それにより、薄膜の品質をRHEEDで実時間制御ができることがわかった。 もう一つの研究重点として、このGSMBE法と本研究室で開発した短パルス超音速ビームエピタキシ-(SSBE法)をうまく組み合わせ、GaN量子箱の試作を行った。それはGSMBE法を用い、本研究室の田中らの方法と同様にAlGaN表面上にSiを入れることにより、GaNドットを作製する。本研究では水素で希釈したメチルシランをSiソースとして使用し、短パルス超音速ビームでAlGaN表面に供給する。それは超音速ビームの高エネルギーがメチルシランの分解への促進効果を利用するものである。RHEEDおよびAFMで評価したところ、GaN量子箱はうまく形成したことがわかった。それはGSMBE法として世界で始めて成功したことである。
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