研究課題/領域番号 |
09650375
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
赤澤 正道 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30212400)
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研究分担者 |
呉 南健 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00250481)
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (80250489)
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キーワード | ニューラルネットワーク / ニューロン / ボルツマンマシン / 単電子 / ホップフィールドネットワーク |
研究概要 |
本研究においては、ニューラルネットワークを構成するうえで問題となっている事項について、単電子回路特有の性質を利用して解決する方法について検討した。得られた知見を以下に示す。 1) ニューロン回路の簡単化:ボルツマンマシンのニューロンは、確率的出力を実現するために、一般には複雑な構成となる。単電子回路を適用すると、コンパクトな回路で、確率的出力特性をもつニューロン回路を構成できる。具体的には、単電子インバータ回路のクーロンブロッケード条件を適切に設定し、ブロッケードが解けた状態における確率的な出力電圧パルスを伝達信号として取り出す。設計した回路においては印加電圧の制御により、アニーリング駆動が可能となる。複数のニューロンを接続して、ネットワークとしても問題なく動作する。 2) ローカルミニマム問題の解消;ニューロネットワークにおいて、単電子回路に特有の「共同トンネル現象」を利用すると、アニーリング手法を使わなくともローカルミニマムの問題を本質的に解消できる。すなわち、代表者の提案する単電子回路において共同トンネル現象を利用すると、エネルギーが減少するのであれば、複数のニューロンが同時に状態を変更することが可能となり、ローカルミニマムの回避が本質的に可能となる。
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