研究課題/領域番号 |
09650377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
嶋脇 秀隆 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (80241587)
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研究分担者 |
石塚 浩 福岡工業大学, 工学部, 教授 (50015517)
三村 秀典 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (90144055)
横尾 邦義 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60005428)
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キーワード | 冷陰極 / 電界放射 / 電子ビーム / 真空マイクロエレクトロニクス / 電子光学 |
研究概要 |
微小冷陰極、特に電界放射陰極は、熱電子放射型陰極と比べて1ティップ当たりの輝度が高くエネルギー幅も小さいため、高分解能電子顕微鏡や電子線描画装置等の電子源として、また、高精細平面ディスプレイ用デバイスなど真空マイクロデバイスに不可欠な素子である。このためには、電界放射陰極の放射電流の安定化と制御、放射角の制御は急務の課題である。本研究は、FEAの電流変動の要因、電子放出機構を解明し、FEAの放射電流制御、安定化、放射角制御のための基礎的研究を行うことを目的とする。Si-電界放射陰極アレイからの電子放射では、個々のエミッタティップからの電子放射に差異があると思われる。これを探るため、電極の対称性を考慮したティップ数1、及び2、3、4、5、7個の一段ゲート及び二段ゲート(収束型)のSi-FEAを製作した。石塚考案の静電レンズ、磁界レンズ、4重極レンズを備えた分析装置を用いて4及び7ティップのFEAの放射ビームパターンを観測した結果、放射電流を増すにつれてスポットの数が増すという現象が見られ、ティップごとの放射に差異があることが明らかとなった。また、放射電流を能動的に制御するため、JFET-体型FEAを製作すると共に、シリコンデバイスとの融合を考慮して、ゲート電極をSiで形成する新たな構造のFEAを提案した。 今後は、各種FEAのビームエミッタンス測定、エネルギー分析、表面改質等により、半導体FEAの電流変動の要因を解明する予定である。
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