研究課題/領域番号 |
09650384
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 錠彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (00029448)
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研究分担者 |
田中 拓男 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (40283733)
芳賀 宏 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (80172831)
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キーワード | 光波長変換 / 光波長フィルタ / 光導波路 / 光集積回路 / 非線形光学 / 第2高調波発生 / モードフィルタ / 導波型光素子 |
研究概要 |
前年度の研究において基本波を基本モード、高調波を高次モードとすることにより、非対称Y分岐型の導波路波長フィルタを利用できることを解析および実験により、確認した。 従来の周期分極反転構造の導波路型光高調波発生素子では、基本波、高調波ともに基本モード伝搬であるため、電気光学効果による位相調整は困難である。本研究においては、周期分極反転構造を導波路中心軸を境に周期の位相をπシフトした構造を新たに提案した。解析により、基本波基本モードから高調波高次モードを励起するこの構造にすることにより、基本波と高調波の界分布の差を利用して電気光学効果による両者の位相調整が可能となり、広い波長範囲にわたり効率よく高調波を発生する素子が実現できることを確認した。 実際に、ニオブ酸リチウム基板に周期10μmの位相シフト分極反転を高電界直接印加により作製した。基本波として波長865nmのCWレーザによる高調波発生実験を行ったところ、基本波基本モードに対して反対称な高調波高次モードを発生させることに成功した。同一周期の基本モードから基本モードの高調波を発生させる従来の波長変換素子を同一基板上に作製し実験を行った結果、疑似位相整合する波長は位相シフト分極反転構造では、5nm程度位相整合波長が短縮された。これは同一波長に対する高調波発生素子を作製する上で、作製許容度が増すという利点になる。 本研究期間内には、波長分離素子と高調波発生素子の集積化にまでは至らなかったが、それぞれの基本特性を実験的に確認することができ、今後集積化による機能素子実現は時間の問題である。
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