1.マルチビット識別符号の検討 OCDMA方式では各ユーザーが独自の識別符号を持つ。これらの符号は、各ユーザーの信号を識別するため、相異なる符号の相互相関が極めて小さいことが重要である。ここでは従来の光直交符号を巡回シフトさせることにより、各シフト量に対応した情報をのせた新しいマルチビット識別符号を提案した。各符号間の相関特性、および符号長と符号の数(ユーザー数)の関係を求めた。 2.マルチビット符号をM値PPM方式に適用 1。で求めたマルチビット符号をM値PPM方式に適用した。PPM方式を用いることにより、他ユーザーからの信号の干渉が小さくなり、多重度を高めることができる。ここでは多重度(ユーザー数)とビット誤り率の関係を理論解析、およびシミュレーションにより求めた。誤り率の理論値近似値の計算、およびシミュレーションにより近似値の妥当性を示した。 3.誤り訂正符号の適用 誤り訂正符号を用い誤り率を小さくし多重度を高める。誤り訂正符号の導入により、所要誤り率に対する最大ユーザー数が飛躍的に増大することが期待できる。ここでは、誤り訂正能力はあまり高くないが超高速通信に適した畳み込み符号と多数決論理復号法を用いた場合、および、畳み込み符号の多値符号であるDual-k符号に着目し、PPM方式にDual-k畳み込み符号を用い、Viterbi復号で復号したときの誤り率を求め、2値の畳み込み符号と比べ、多値のDual-k符号が優れていることを示した。 4.プライム符号を用いたOCDMA プライム符号を用いたOCDMAシステムのビット誤り率を解析した。まず、プライム符号の相互相関特性を詳細に解析し、その結果を用いて、符号の組み合わせがワーストケースと平均的なケースについて誤り率を求めた。また、シミュレーションを行い、近似的な理論値と比較し良好な近似であることを示した。また、プライム符号を用いたOCDMAがビット誤り率の優れた方式であることを示した。 5.総合評価 音声、画像、映像などを想定し、種々の伝送レートの信号を多重化したときのシステムの特性を求めた。特に、音声伝送の品質とディジタル信号の誤り率の関係の総合的評価を行った。
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