21世紀の社会の最重要基盤となる超高速ネットワークにおいては、映像系情報伝送が主流となり、現在より3ケタ以上のネットワークの高速化が必要となる。高速化のためには、光ファイバ上での伝送路容量を拡大させる技術とともに、ノードにおけるスイッチングの大容量化も重要となってくる。 このような背景の元、本研究では超高速光スイッチアーキテクチャの研究を行った。本研究では、波長分割と空間分割系を混合した形のアーキテクチャをベースとして、そのトラヒック解析を試みると共に、更に時間方向にも分割を試みることによる更なる容量の拡大を目指した。 本年度は、ノンブロッキング条件の場合と、ブロッキングを許す場合について、空間分割、波長分割だけではなく、時分割形のスイッチングも導入した場合の、所要ハードウエア・トラヒック処理特性について検討した。その結果、ブロッキングを多少許容すれば、著しく所要ハード量が削減され、経済的にスイッチファブリック・ノードを構成できることを示した。 また、単なるスイッチファブリックの改良に留まらず、このスイッチアーキテクチャを用いて構成されるネットワークでの上位レイヤのプロトコルの設計、このようなネットワーク上で、主流となると予想されるマルチキャスト型アプリケーションを効率的に扱うためのネットワークトポロジー、更にはこのようなスイッチアーキテクチャを用いたネットワーク上で伝送されるメディアの品質制御に関する技術など多岐に渡る方面に研究を展開することが出来た。
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