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1997 年度 実績報告書

間接メモリアドレッシングを活用したメモリアクセスの効率化

研究課題

研究課題/領域番号 09650401
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

西原 明法  東京工業大学, 教育工学開発センター, 教授 (90114884)

研究分担者 杉野 暢彦  東京工業大学, 総合理工学研究科, 講師 (60242286)
キーワードメモリアクセス / 間接メモリアドレッシング / アクセスグラフ / アドレス配置 / コード最適化
研究概要

ワークステーションやパーソナルコンピュータのプログラムでは,レジスタや演算器などの資源を有効に利用することによりソフトウェアを高速化できるが,最近では,大規模化したメモリのアクセスについてのコストも大きくなったため,メモリアクセスを考慮したハードウェア・ソフトウェア両面からの高速化が重要な課題となっている.
メモリアクセスでアドレスポインタを介する間接メモリアドレッシングは,非常に簡単なハードウェアで実現でき,メモリアクセスに要するコストも少ない.また,アドレスポインタに対する簡単な更新操作は算術・論理演算と同時に実行できるようになっている場合が多く,これを次のメモリアクセスのために利用すると高効率のソフトウェアが得られる.この間接アドレッシングを汎用言語プログラムのメモリアクセス全てに用いた場合,現在のコンパイラ技術ではメモリアクセス上のオーバーヘッドを多数生じ,ソフトウェアの効率が大きく劣化してしまう.そこで本研究では,メモリアクセスを全て間接アドレッシングだけで行いプログラムを効率化する諸方法について提案を行う.本年度は従来まで行ってきた研究を元として,より拡張した間接アドレッシングの下で効率的アクセスが可能な変数アドレス配置を求める発見的アルゴリズムを提案している.
まず,アドレスポインタが±2まで操作できる間接メモリアドレッシングについて変数のアドレス配置を決定するアルゴリズムの提案を行った.仮定した間接アドレッシングにおいては効率的AR操作だけでメモリアクセス可能なグラフ構造が三角形グラフをチェインした形状(Chained Triangle Graph:CTG)になることを示し,与えられたメモリアクセス系列をグラフ表現し(アクセスグラフ),ここからCTGを抽出することにより効率的なメモリアクセスが可能な変数アドレス配置を得ることができる.次に,アドレスポインタがモジュロ-更新できる場合について検討を行った.この間接アドレッシングにおいて効率的AR操作だけでメモリアクセス可能なアクセスグラフ形状を示し,これを元にしてアドレスを決定する発見的アルゴリズムを提案した.更に,フレームワーク部分としてC言語用コンパイラからのメモリアクセス部分の抽出も進めているが,上記で提案した2つのアルゴリズムがメモリアクセス系列だけを入力としているため,適用は容易であると考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] N.Sugino, S.Miyazaki, and A.Nishihara: "DSP Code Optimization Methods utilizing Addressing Operations at the Codes without Memory Accesses" IEICE Trans.Fundamentals. E80-A,12. 2562-2571 (1997)

  • [文献書誌] N.Sugino and A.Nishihara: "Memory Allocation Methods for a DSP with Indirect Addressing Modes and their Application to Compilers" Proceedings 1996 International Symposium on Circuits and Systems. 2585-2588 (1997)

  • [文献書誌] 小暮 央,杉野 暢彦,西原 明法: "アドレスレジスタの±2以内の更新命令によるアドレス配置の最適化手法" 第10回回路とシステム軽井沢ワークショップ論文集. 403-408 (1997)

  • [文献書誌] N.Kogure, N.Sugino, and A.Nishihara: "Memory Address Allocation Method for a DSP with ±2 Update Operations in Indirect Addressing" Proc.of the European Comfermce on Circuit Theory and Design. 1446-1459 (1997)

  • [文献書誌] 杉野 暢彦,西原 明法: "モジュロ-更新を考慮した間接アドレッシングのためのメモリ配置方法" 第12回ディジタル信号処理シンポジウム講演論文集. 633-638 (1997)

  • [文献書誌] N.Kogure, N.Sugino, and A.Nishihara: "Memory Allocation Method for Indirect Addressing DSPs with ±2 Update Operations" IEICE Trans.Fundamentals. E81-A,2(印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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