研究概要 |
多くの発振器を1つの抵抗を介し星形に結合した場合,発振器の数nが素数の場合にはn相同期現象がみられ,nが素数でない場合,特にnが4の場合には4相同期現象はみられず,2つの独立した逆相同期現象が生ずることは,筆者等の研究により明らかにされている. 本研究ではまず4個の発振器の固有周波数が異なる場合について研究し,同期,2つの独立した逆相,および4相同期現象がみられることがわかった.次に各発振器の非線形特性が非対称の場合,星形抵抗結合の場合には4相同期現象がみられることがわかった.さらに4つの発振器を1組にしてネットワーク結合した場合には同期した位相パターンが見られ,セルラーニューラルネットワークの構成要素として有用であることを示している. またカオス発振器をキャパシタによって完全結合した回路ではカオスの同相周期同期およびカオスの4相同期現象がみられ,コルピッツ発振器などの3次元発振器を完全結合した系でも4相同期現象がおこることがわかった.さらに結合発振器系に外力を加えた場合の同期現象についても研究している. カオス発振器の結合系において発振器の種類が異なる場合について研究するために,新しいカオス発振器2種を提案し,それ自体の振舞と結合系における同期現象についても研究を行っている.
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