カオス的パルス列発生器の合成とその秘匿多重化通信への応用

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09650425
• 研究機関: 法政大学
• 研究代表者: 斉藤 利通 法政大学, 工学部, 教授 (30178496)
• キーワード: パルス符号化 / パルス変調 / カオス / カオス制御 / 多重通信 / 秘匿通信 / ニューラルネット / VLSL

研究概要

本年度は、カオス的パルス系列発生器(CPG)を動作の解析と、秘匿多重化パルス通信方式のための基礎技術の確立を目的として研究を進め、以下のような成果を得た。
(a) CPGの2つの周期信号による制御法を考案し、各信号の機能を解明した。まず、第1入力はパルス列の基本動作を決定する機能を有し、これによって様々なカオス的パルス列を生成することができる。カオス的パルス列の動作は不安定であるが、系列は多種多様となる。そして、第2入力は、系の状態を量子化してパルス列を安定化する機能を有する。これによって、多様なカオス的パルス列を安定化して、豊富な情報符号源を生成できる。
(b) 安定化されたパルス列の動作解析は、整数値写像の解析に帰着でき、これは計算機を用いて厳密かつ高速に解析できる。これによって、デジタル情報の適切なパルス間隔変調方式の基礎が固められた。
(c) 多重分離系は、CPGの動作に、自己組織化特徴写像で用いられているWinner-Take-All機能を動的に適用することによって構成されている。同系の基本機能を理論解析し、分離可能条件、分離速度、動作の安定性等を解明した。また、チップ化を念頭においた基本回路を試作し、系が適切に動作することを確認した。

研究成果

• [文献書誌] H.Torikai and T.Saito: "Return map grantization from an integrate-and-fine model with two periodic inputs" IEICE Trans.Fundamentals. E82-A(印刷中). (1999)
• [文献書誌] K.Jin'no,T.Nakamura and T.Saito: "Analysis of bifurcation phenomena in a 3 cells hystenosis" IEEE Trans.CAS-I. (発表予定). (1999)
• [文献書誌] H.Torikai,T.Saito and W.Schworz: "Synchronization via malfiplex palse-frain" IEEE Trans.CAS-I. (発表予定). (1999)
• [文献書誌] T.Tsubone and T.Saito: "Hyperchaos from a 4-D manifold pieceniae linear system" IEEE Trans.CAS-I. 45,9. 889-894 (1998)
• [文献書誌] S.Kanahara and T.Saito: "An adaptive self-organizing algorithm with virfual connectior" J.of Advanced Computational Intelligence. 2,6. 203-207 (1998)
• [文献書誌] A.Yamamoto and T.Saito: "A flexible learning algorithm for binary neural networks" Trans.IEICE Fundamentals. E81-A,9. 1925-1930 (1998)
• [文献書誌] T.Saito and H.Torikai: "CTL of chaos and bifurcation in eng.systs.,Cly 22,CRC press" Return map modulation in nonantonomous relaxation oscillator, 20/600 (1999)
• [文献書誌] 田中 衛、斉藤利通: ニューラルネットと回路 コロナ社, 240 (1999)