研究概要 |
今年度は、当初の計画に従って着実に成果を挙げることができた。具体的な研究経過・研究成果は、次の通りである。 (1) ストリップ線導波路のスラブモード展開法による横方向等価回路の導出およびこれに基づく解析 平面回路理論に基づいて横方向等価回路を導出し、対応したソフトを作成し具体的な計算を行った。これまでの結果は電子情報通信学会で次の題目で発表した。今後、マイクロストリップ線導波路に取り組む予定である。 田部井,平岡,許「有厚ストリップ線導波路の等価回路に基づく固有モード解析ー高さモード展開による平面回路方程式に基づいてー」1998電子情報通信学会ソサイエティ大会C-2-63, 田部井,平岡,許「有厚ストリップ線導波路の高さモード振幅対モード次数特性ー考慮高さモード数によるー」1999電子情報通信学会総合大会C-2-73 (2) ストリップ線導路不連続部の等価回路の導出 2次元平面回路理論に基づいて、ストリップ線導波路を多線条伝送線路,不連続部を理想変圧器とした等価回路で表現されることを導出し、電子情報通信学会マイクロ波研究会で発表することができた。(MW98-82) (3) ストリップ線角正方形切断直角曲がりの広帯域周波数特性の計算 ストリップ線角正方形切断直角曲がりをストリップ線導波路部と角正方形切断正方形平面回路部に分割し、前者より多線条伝送線路回路、後者に対しては(2)の結果を用いて各切断量に対して固有モードをka=20まで求め、対応したフォスタ型等価回路を導出した。フォスタ型等価回路と外部多線条伝送線路は理想変圧器で結合された等価回路が得られ、この等価回路に基づいて、ストリップ線角正方形切断直角曲がりの広帯域周波数特性が計算された。カット量0.55近辺でほぼ最適特性が得られるが、透過特性と帯域輻には競争関係があることを見いだした(つまり、0.55近辺でカット量を増やすと透過特性が改善されるが、帯域幅は狭くなる)。具体的な研究成果は、電子情報通信学会マイクロ波研究会(MW98-106,MW98-107)およびアジア太平洋マイクロ波会議(APMC'98WEIB-3)で発表した。 (4) ストリップ線斜め切断直角曲がりの広帯域周波数特性の計算 ストリップ線角斜め切断直角曲がりの広帯域周波数特性は計算中で、途中経過は既に電子情報通信学会で発表した。平岡,田部井,許「ストリップ線角斜め切断直角曲がりの周波数特性ーフォスタ型等価回路によるー」1998電子情報通信学会ソサイエティ大会 C-2-62,平岡.手塚,許「角斜め切断正方形平面回路の固有モードの計算ー差分方程式化,階段状近似によるー」1999電子情報通信学会総合大会 C-2-75
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