交付期間内の研究の目的は、HBS(ホームバスシステム)情報ネットワークに関する以下の内容である。 (1) 7層適合性試験法を完成させ3層と7層の試験法をISDNを介した遠隔試験システムに発展させる。 (2) ホームバスを利用したマルチメディア伝送実験を行い、将来のマルチメディアバスとしての有効性を検証する。 (3) 新たな無線HBS方式を提案する。 [目的(1)について] 7層の適合性試験システムを改善し、ほぼ完成した。また、HBS-ISDN間のゲートウエイを開発し、ISDNを介した3層と7層の遠隔適合性試験システムとしてほぼ完成した(達成度90%程度)。これらの研究成果は、平成11年4月中にIEEE学会へ論文として投稿する予定である。 [目的(2)について] 新たな画像圧縮法を提案し、MPEG1と比較しその有効性を検証した。HBSは低速(64kbps)なので高速なIEEE1394(400Mbps)を考慮したインターネット(TCP/IP)とのゲートウエイを開発した(完成度70%)。 [目的(3)について] 本研究は、まずISDN及びインターネットを介したホームネットワークとして実現し、その後無線化することである。ISDNとインターネットのゲートウエイの開発は完了したが無線化(PHS)までは至らなかった(完成度50%)。 今後はIEEE1394による高速ホームネットワークを構築し、ディジタルビデオカメラ等を接続し、インターネットやCATV網を介して動画像データや在宅診療ケア項目データを伝送し、遠隔ホームヘルスケアシステムとして開発する予定である。 平成10年度と11年度の研究成果は、論文2編、国際会議3編、研究会3編、学会発表6編として発表した。また、遠隔HBS適合性試験法をまとめ、査読論文として電気学会(5月28締切)およびIEEE学会に投稿準備中である。
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