研究概要 |
本研究は,大規模最適化問題を解くための新しいアプローチとして,知的エージェント集団を用いた学習型分散的手法の開発を目的とする。 特に,次の二点について研究を進めた。 (1) 知的エージェントとして学習オートマトンを考え,その学習機構と自己増殖・改良機構に学び,これらを組み合わせることによって,大規模最適化手法を新しく開発した。 (2) 大規模最適化の解法に欠かせない進化の概念と学習の概念を,遺伝的アルゴリズム,免疫ネットワーク,ニューラルネットワークなどの研究を通して探求した。 (1)で述べた手法は,学習オートマトンの学習機構と,セルオートマトンの自己増殖・改良機構を組み合わせて,学習セルオートマトンと言う学習オートマトンの集団モデルを新しく構築し,その知的エージェント集団としての最適化機能を解明したものである。学習セルオートマトンを用いることにより,最適化過程の学習と,分散的探索が可能となった。組合せ最適化問題へ適用して,その有効性を示し,VLSIレイアウト設計問題への適用の可能性を示唆した。 (2)については,生物の機構の中で重要な遺伝と免疫の概念の本質を追及し,合わせ分散的構造の一形態であるネットワーク構造に着目して,種々の新しい知見を得た。それらの成果を最適化手法の開発に結びつけ,VLSIレイアウト設計問題へ適用し,有効性を示した。
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