研究概要 |
1,探索空間分解法による大規模スケジューリング問題の解法 遺伝アルゴリズムを用いて実用規模の問題を解くには,大規模な変数を取扱わなければならない。そのために,複数の染色体で個体を表現することにより,探索空間を分解し,分解された部分探索空間内でヒューリスティックスを導入して効率的探索が可能となる方法を提案した。その方法を,製鉄所の酸洗工程および電機メーカの金型組立工程のスケジュール問題に適用した。 2,制約条件を柔軟に扱うための遺伝アルゴリズムの構成法 遺伝アルゴリズムを用いて最適化問題を解く最大の問題点は制約条件の扱いにある。本研究では,個体表現や遺伝演算子の構成の仕方を工夫することにより,致死遺伝子の発生を極力防ぐ方法を提案した。また,制約条件が新たに付加される毎に,それに対応する染色体を個体表現に付加することにより,遺伝アルゴリズムを逐次的に構成した。これにより,柔軟に制約条件を扱うことができると考えられる。具体例として,3次元容器積載問題にこの方法を適用した。 3,遺伝アルゴリズムによる再スケジューリング法 スケジューリングの条件に変動が生じたとき,新たにスケジュールを作成しなおす必要性は現実に多い。遺伝アルゴリズムにおいて個体群の多様性に注目してこの問題を検討し,比較的単純な方法で再スケジューリング時の初期個体群を構成する方法を提案した。また,オープンショップ問題に適用して有効性を検証した。
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