研究概要 |
アプリケーションレベルでHTTPメッセージを中継するプロキシサーバは,広域ネットワーク上で効率的に情報を伝達するために重要な役割を果たす.このことから現在,プロキシサーバの高度運用のために必要な要素技術の開発を目的として研究を行っている. 本年度はまず,メッセージ中継時に既存のプロキシサーバと連携してコンテンツ変換を行う「共通フィルタサーバ」(Common Filter Server)の実現に向けて,設計および試作を行った.プロキシサーバ上でのHTTPメッセージのコンテンツ変換は,HTTPによる情報流通の高度化に向けての多様な可能性を持つ.共通フィルタサーバの設計では,汎用のアプリケーションプロトコル中継サーバであるDeleGateの利用を前提として,DeleGateが持つCFI(Common Filter Interface)と呼ばれるコンテンツ変換機能を,HTTPメッセージヘッダのテンプレートを登録したデータベースを用いて拡張した.また試作はスクリプト言語であるPerlを用いて行い,一般的なクライアントとの間で動作確認を行った. 上記で提案した共通フィルタサーバは,複数のプロキシサーバからの統計情報を一括して管理する統計サーバとしても利用できる.そこで本研究では,このようなログファイルの有効利用についても検討を開始している.具体的には,文献検索の分野で近年利用されている自動索引づけ手法LSI(Latent Semantic Indexing)をHTTPアクセスログに対して適用し,クライアントホスト間の類似度を求めることによって,プロキシサーバの最適配置や効率的な連携に役立てる手法を開発している.
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