研究概要 |
本年度は,多視点動画像追跡システムを構成し,スポーツとエンターテインメントの分野を対象に様々な動作の測定,認識及び再構成を行った. (1)追跡システムは4個のCPUを搭載したマルチプロセッサ構成のコンピュータを中心に,最大4台までのカメラからステレオ映像を同じに入力可能である.約10m四方の測定室に演技のための空間と追跡システムを配置した. (2)スポーツの分野から対象動作として,ラジオ体操を選んだ.ラジオ体操第1には9種類の体操運動が含まれるが,8名の演技者の動作追跡を行った.このとき,同一演技者の同じ種類の動作に対して複数回の演技の追跡も行っている. (3)追跡の結果,動作が姿勢パラメータの時系列で得られた.この姿勢パラメータを使って予め動作を教示し未知動作の認識を行った.その結果,高い認識率を得ることができた. (4)エンターテインメントの分野から,パフォーマンスアニメーションのためのモーションキャプチャーとして追跡システムの使用を試みた.その結果,アニメーションキャラクタが追跡のための人体モデルとして利用できること,測定された動作をデータベース化しておけばアニメーション化の効率が良いことなどが明らかになった. (5)試作した追跡システムは,追跡ミスの修正等にまだかなり時間を要する.しかし,種々の分野で有効であることが確認されたので,システムの自動化・高速化を行いさらに発展させたい.
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