γ-受動性を用いた大型宇宙柔軟構造物の制御に関する研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09650464
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 鈴木 正之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20023286)
• 研究分担者: 佐藤 光政 川崎重工業(株), 航空宇宙事業本部, 研究員 ; 安藤 嘉則 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (70242831) ; 穂高 一条 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00293663) ; 坂本 登 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (00283416) ; 杉本 謙二 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20179154)
• キーワード: γ-受動性 / 位相整形 / ロバスト制御 / 消散性

研究概要

平成10年度は以下のような研究を行った.
● γ-受動性および消散性に基づく柔軟構造物のモデル化
モータ入力から歪ゲージ出力への柔軟構造物の周波数応答を計測し,このデータをもとに公称モデルとそれに付随する変動モデルを作成した.
● γ-受動性および消散性に基づくロバストコントローラの設計法の確立モデル化により得られたデータをもとに,γ-受動性およびその拡張である消散性の理論を用いて,良好なロバスト性をもつ振動制御コントローラを求める手法を確立し,シミュレーションによりその有効性を確認した.
● 柔軟構造物の制振実験
理論的に得られた制振コントローラを柔軟構造物に実装し,振動制御実験を行った.その際,ダイレクト速度制御法,H無限大制御,LQG・LTR法などの従来の設計法によるコントローラを用いた実験結果と比較し,本手法が同等またはそれ以上の制振性能をもちうることを確認した.

研究成果

• [文献書誌] 穂高 一条,他: "指定されたゲイン余裕と位相余裕を確保するコントローラの設計" 計測自動制御学会論文集. 35-5. (1999)
• [文献書誌] 穂高 一条,他: "開ループシステムの消散性に基づくロバスト制御" システム制御情報学会誌. 43. (1999)
• [文献書誌] 杉本謙二,他: "サンプル値制御系のγ-正実性と位相特性" 計測自動制御学会論文集. 35-1. 71-76 (1999)
• [文献書誌] K,Sugimoto, et.al.: "On γ-positive real sampled-data control systems" Proceedings of MTNS 98. (1999)
• [文献書誌] I.Hodaka, et.al.: "Loopshaping by Quadratic Constrains on Open-Loop Transfer Functions" Learning, Control and Hybrid Systems, Springer Lecture Notes in Control and Information Sciences. 416-413 (1999)