研究概要 |
本研究の目的はロボットマニピュレータによって物体を把持し,物体の形状に適応しながら位置を制御し,レンジセンサによって多視点から3次元形状を測定してモデルを作成することにある.その準備として平成9年度は物体を固定し,マニピュレータの先端に申請者の創案になる小形レンジセンサを装着し,物体の全周形状を測定する視点選択アルゴリズムについて研究した.そして距離画像を利用して物体形状に適応しながら視点を選択する自動計測手法を開発した.ここでレンジセンサによって得られる位置情報の基準とロボットの座標系との相対的な関係を精度よく求めることが課題となり,平成10年度はその向上のために多視点で得られた距離画像を最小2乗法を利用して3次元空間中で適応的に統合する手法を開発し,良好な結果を得た.さらに形状だけでなく,カラーテクスチャをマッピングし,3次元モデルを生成する課題についても成果を得た.物体の把持動作に関しては前述の視点選択アルゴリズムを応用して,その有効性を検証した.すでにシステムのハードウエア部は完成しており,種々の計測実験を実施している.しかしながらマニピュレータによって自動的に物体を把持するタスクのアルゴリズム,姿勢の制御方法,距離画像中から不要となるマニピュレータ像の消去法など,原理的ではないが解決すべきいくつかの重要なソフトウエアの課題が残っており,今年度中に当初の目標を達成することはできなかった.すでに解決の目処はたっており,引き続き研究を行い,成果として発表したいと考えている.
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