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近年、高速演算の出来る電子計算機の発達にともない、多量のデータの統計的処理が容易になってきた.本研究では、幾つかの源信号(多源信号)がある伝送システムを通して観測されているとき、それらの観測信号の2次、3次および4次の高次統計量キュムラントを用いて、源信号を復元する装置、すなわち、等化器を設計する幾つかの手法を提案した.さらに、提案した各手法の有効性をシュミレーション実験で調べた.
多源信号の等化の方法として、大雑把に次の二つに分類できる.
(1) 伝送システムの特性を統計的手法で推定して、推定した伝送システムの逆特性を等化器の特性として持たせて、源信号を復元する.
(2) 伝送システムの特性は推定せずに直接に源信号を復元する等化器を統計的手法で推定する.
前者を間接的ブラインド等化法、後者を直接的ブラインド等化法と呼ぶ.
一般に伝送システムの入力信号が観測できず、出力信号だけが観測できる場合、出力信号のデータに適合するシステムは一般に無数に存在するので、元の伝送システムを唯一に確定することは不可能である.
本研究では、先ず入力信号が白色信号であると仮定し、出力信号の3次や4次のキュムラントを用いたブラインド同定の新しい方法を提案した.また、人力信号が有色信号となる場合、出力信号の3次や4次のキュムラントを用いて、元の伝送システムの出力信号と統計的に一致する出力信号を生成するシステムのクラスを明白にした.さらに、元の伝送システムの逆システムの特性を推定して、推定した逆システムを元の伝送システムに縦続接続して、入力信号を復元する間接的ブラインド等化の手法を示した.また、直接的ブラインド等化法を開発するために、等化を達成する幾つかの新しい規範を提案した.提案した規範に基づいて、直接的ブラインド等化の幾つか手法を開発した.さらに.開発した各手法の有効性をシュミレーション実験で調べ、それらの有効性が確認できた.
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