研究概要 |
本研究は,人工衛星搭載用の小型リジッドアンテナシステムを開発することを目的として平成9〜10年の2年計画として推進されている.平成9年度では以下の研究を行い成果を得た. (1)電界センサー:Tip-to-tip 1.5mのダイポールアンテナ及び低雑音広帯城前置増幅器を試作し,静電シールド室における実験から所定の性能が得られることを確認した. (2)インテリジェントフロントエンドの設計:人工衛星からの雑音(衛星雑音)と自然プラズマ波動を自動的に識別し,衛星雑音を除去するハードウェアの構成とソフトウェアのアルゴリズムを検討した.これまでのシミュレーションにより,周期的なノイズおよびその高調波を検出し除去することに成功した.この周期雑音の基本周期が時間的に変動する場合への対応も考察した.実際の衛星(火星探査機 PLANET-B)試験中に取得した雑音データを用いて本方法の動作を検証した. (3)ハードウェアの試作:DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)をパソコンと有機的に接続し,信号制御ができることを確認した.プログラムを実装するDSPメモリが不足しているのでメモリサイズを拡張する方法を検討中である.また,信号処理時間を最小にするプログラムの処理ルーチンについて検討中である. 今後の計画としては,上記の検討を行い,リアルタイムに動作するフロントエンドを試作すし,更に,さまざまな自然プラズマ波動とノイズが重畳した波形からノイズを除去するノウハウをソフトウェアに反映させることである.
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