三次元マウス実現に対する研究遂行の基礎研究として、本年度は位置の検出、動きの検出の両面からのアプローチを行った。位置の検出手法としては磁界を媒体とした検出法を前提に行ってきたが、今回電気学会マイクロマシンマルチチップサービス協同研究委員会主催の集積回路マルチチップサービスを利用し、磁界検出デバイスを3.1×3.8mm^2と小型化し、マウス装置の中に十分組み込めるサイズで磁界計測が行えることを実証した。現在の段階で、基準点(例えば一般の二次元マウスではマウスパッドの位置に相当)から約1mの距離でも良好に磁気計測が可能であることを確認した。これはマウスとして用いるには十分な能力である。今後、過去の我々が行ってきた磁界から位置への変換アルゴリズムを適用し、位置検出システムの完成を目指す。一方、動きの検出に関しては、角速度検出に独自の構造の2軸振動形角速度センサを提案し、シリコンマイクロマシニングで試作した結果、十分な振幅の参照振動が行えることまでを確認した。このセンサのサイズは約8mm角であり、位置検出用磁界検出デバイス、および周辺回路を組み合わせても十分マウスとして実現可能なサイズである。来年度は角速度センサの完成、および位置検出デバイスとの融合を図る。
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