平成9年度の研究計画・方法は、 (1)手のひらの各部分の電位を測定し、それらを手のひらマップとして表示する手のひらマップ測定回路を設計し、試作する。 (2)手のひらの各部分の導電率、誘電率を測定し、それらの手のひらマップとして表示する手のひらマップ測定回路を設計し、試作する。 (3)上記の回路を統合し、手のひら生体情報測定装置を設計し、試作する。 (4)購入予定の赤外線熱画像装置を用いて、手のひらの各部分について、温度と導電率、誘電率の相関関係を調べる。 であったが、(1)(2)(3)についてはほぼ予定どうり設計、製作、実験を行った。(4)については若干遅れ気味である。当初、雑音が多く、回路動作が不確実であったが、装置と被験者の両方を大型のア-ス板の上に乗せる方法を開発しこの難点を克服した。実験的な測定を実施した結果、特に手のひらの電位変化が人間の心身の変化によく対応していることがわかった。肝臓病など、特定の病気をもつ人では、手のひら上にあるその臓器の反射点の電位が左右の手で著しく異なることがわかった。また、好きな音楽を聴くなどリラックスしているときと、運動後に手のひら各部の電位が高くなることがわかった。また、被験者に変化させた外気功を照射すると手のひら上で外気功の変化に同期した電位変化が得られることを発見した。これらの研究結果は、第45回応用物理学関係連合講演会で発表した。 これらの実験、測定を通して、データーのゆらぎが問題になることがわかった。そこで、このゆらぎをファジイ推論法を用いて吸収する方法を考案した。この方法は平成10年10月に飯塚で開かれる国際会議で発表する予定(採録決定)である。
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