東洋医学においては、身体の状態を知るために手首橈骨付近の脈像を診断に用いてきた。これらの情報は漢方医師の指によって感覚的・経験的に測定されてきた。本プロジェクトではこれを定量、定性的にするために、ファジイ理論を利用した脈像による診断システムを発展させてきた。一方、身体の様々な状態変化が皮膚の導電率を変化させることはよく知られている。特に、両方の掌には人間のいろいろな臓器の反射点があるので、東洋医学では身体の状態を知る上で掌からの情報もまた重要視され、掌による診断がしばしば行われてきた。我々は、掌の電位マップが病気で変化することから、掌の電位測定システムについても発展させてきた。さらにこれを発展させ、掌の等価アドミタンスを測定し、それらを等価CR回路に置き直すことによって、身体の診断をする新しいシステムを発表した。さらに、このシステムの等価CR回路に改良を加えることで、測定精度を向上させた。また、医師へのデータ伝送は、現時点では、既存の電話回線を利用する方法が最適であることを確認した。
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