研究課題/領域番号 |
09650502
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
辻 幸和 群馬大学, 工学部, 教授 (50048922)
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研究分担者 |
橋本 親典 徳島大学, 工学部, 教授 (10180829)
杉山 隆文 , 助教授 (70261865)
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キーワード | PRC部材 / 打継目 / 高強度コンクリート / 曲げ性状 / せん断性状 / プレストレスの導入 / 鋼板補強 / RCはり |
研究概要 |
本研究では、通常の強度および85N/mm^2を超える高圧縮強度の2種類のコンクリートを用いて、鉛直打継目をせん断スパン内に1ヶ所設けたRCはりおよびPRCはりを作製した。そして、これらのはりにおける曲げ載荷試験から得られたひび割れ性状やスターラップのひずみの挙動により、鉛直打継目がRCはりおよびPRCはりに及ぼすせん断性状を主として検討した。また、鋼板補強工法とプレストレスを導入したRCはりについても同様に曲げ載荷試験を行い、それらの補強効果を検討した。本研究の範囲内において、次の結論を得た。 (1) 通常強度のコンクリートを用いたRCはりにおいては、先ず鉛直打継目に発生した曲げひび割れは打継目に沿って大きくずれて、斜めひび割れに発達した後、せん断圧縮破壊を起こした。 (2) 超高強度コンクリートを用いたRCはりでは、鉛直打継目のせん断耐力の低下が小さいため、曲げ引張破壊であったが、スターラップのひずみは増大しており、打継目の補強が必要になる。 (3) 鉛直打継目を有するRCはりを鋼板で補強することによって、スターラップのひずみの増加が抑制された。また、通常強度のコンクリートを用いたRCはりでも破壊形式が曲げ引張破壊に移行した。 (4) PC鋼棒でプレストレスを導入したPRCはりでは、鉛直打継目の悪影響が軽減でき、鋼板の補強と同様な効果が得られた。なお、プレストレスの導入量が多いほど、補強効果が大きいことも確かめられた。 (5) 打継目の処理を行わなかった場合には、超高強度コンクリートを用いたRCはりにおいても、(1)(2)で述べた鉛直打継目の悪影響が顕著であった。
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