研究課題/領域番号 |
09650509
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
梅原 秀哲 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70151933)
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研究分担者 |
GUPTA Suprat 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (20283476)
上原 匠 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60231172)
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キーワード | 引張クリープ / 若材齢コンクリート / 温度応力 / クリープひずみ |
研究概要 |
マスコンクリートでは、セメントの水和熱に起因する温度応力がコンクリート打込み直後から生じる。打込み直後は、コンクリートがフレッシュな状態から硬化していく過程にあり、応力が小さくてもクリープひずみはかなり大きくなる可能性がある。そして、水和反応による温度履歴とともに、生じる応力も圧縮から引張へ転じるため、非常に複雑な挙動を示す。本研究では、このような若材齢時の特徴を持つコンクリートの特に引張クリープ性状を把握するために引張クリープ試験を行うとともに、温度応力における引張クリープの影響を定量的に評価することを目的としている。 本年度は、以下の研究を実施し、次のような成果を得た。 1) 引張クリープひずみがひび割れ(引張破壊)に与える影響を評価するために、高応力強度比のもとでクリープ試験を行った。クリープひずみの大きさは引張強度にはほとんど影響しないこと、応力強度比の影響は70%以上であらわれ、引張伸び能力が低下することが明らかとなった。 2) 温度応力を擬似した圧縮・除荷・引張の応力状態でのクリープ試験を、昇温・降温に制御した状態で行い、クリープモデルの重ね合わせ法の適用性を検討した。壁のように温度応力変化の速いもの(急速昇温・急速降温)に対しては、応力増分法で引張破壊に至るまで適用できるが、スラブのように引張側の温度応力変化が遅いもの(急速昇温・緩速降温)に対しては、重ね合わせ法では引張側の高応力強度比の領域で応力を過少評価する傾向にあることが明らかとなった。
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