研究概要 |
高強度コンクリートの収縮ひずみに及ぼす供試体寸法の影響および相対湿度の影響について実験により検討した。水セメント比20%のコンクリートを用いて寸法が異なる3種類の供試体(50×100×400mm,150×300×900mm,250×500×1500mm)を作製し、7日のシール養生の後,温度20±1℃で相対湿度が40±2%,60±2%および80±2%の異なる3種類の室内に静置し,収縮ひすみの測定を行なった。本研究の範囲内で明らかになった事項は以下の通りである。 (1)供試体寸法が大きいほど凝結直後の自己収縮速度が大きいが、材齢7日程度で供試体寸法による収縮の差は小さくなる。 (2)部材寸法が大きいほど相対湿度が収縮ひずみに及ぼす影響は少なくなる。 (3)相対湿度が高いほど供試体寸法が収縮ひずみに及ぼす影響は少なくなる。 (4)高強度コンクリートの収縮ひずみに及ぼす相対湿度の影響は、相対湿度40〜60%において普通コンクリートの場合と比較して小さい。 (5)高強度コンクリートはいずれの寸法の供試体についても相対湿度80%程度の高湿度域では初期に若干収縮した後,膨張に転じる。 (6)既存の収縮ひずみの予測式をそのまま高強度コンクリートに用いて,乾燥開始後の収縮ひずみを精度良く予測することは困難である。
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