研究概要 |
1)寒冷地トンネルの耐凍害設計の基本データである最低気温の合理的な推定を目的に,アメダスの観測気温を用いた未観測点の気温推定をVariogramの手法により行い,その結果以下のことが明らかになった。 ・限定した地域においては定常性を仮定することにより,観測地点の気温変動の関係はその距離のVariogramで定義できる。 ・北海道を太平洋側,オホーツク側,日本海側の三つに大きく地域分けをし,さらにそれらの地域を日気温平均差により山岳,内陸,海洋エリアに分割することにより最低気温変動の推定精度を高められる。 2)寒冷地トンネルの断熱材設計の基礎資料を得る目的で,非定常熱伝導解析および地山・覆工コンクリートの熱伝導率・熱容量等の同定を行い,以下のことが明らかになった。 ・トンネル・地山系の温度解析は,一次元熱伝導解析でも十分の精度で行える。 ・拡張カルマンフィルタと有限要素法の併用により,地山・覆工コンクリートの熱伝導率熱容量等の同定を精度よく行える。 ・精度よく同定を行うには,覆工コンクリート表面の熱伝導率の設定に注意が必要である。 ・多層地山モデルによる複数の熱伝導率,熱容量の推定が可能である。
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