研究概要 |
鋼橋は、特に床版コンクリート床版から鋼床版にすることで、コンクリート橋に比べて軽量にすることができる。そのメリットを生かして、阪神淡路大震災のような直下型大地震に対しても安全なように設計できることから、今後もその数が増えると思われる。既設橋梁の耐久性評価と合わせて、長寿命化をねらった橋梁野設計に関しても、疲労耐久性の評価手法の開発が不可欠である。 本研究では、鋼溶接継手を対象に、長寿命域、すなわち1,000万回(10^7回)を超えるような荷重くり返し数に対する合理的な疲労設計法を確立するために、以下のような研究を行った。 1)過去に実施された溶接継手の変動荷重による疲労試験結果の収集と分析。 2)小型溶接継手試験片を製作し、モデル化された変動荷重による疲労試験を長寿命域で重点的に行った。 3)小型の疲労試験片による単一過荷重(overload)あるいは周期過荷重(periodic overloads)、あるいは変動振幅ブロック荷重(variable amplitude block loading)による疲労き裂進展速度の測定を行った。 4)道路橋の主桁、鋼床版の部材を対象に応力測定を行い、変動荷重の実態を調査した。対象は都市内高速道路橋に多い鋼床版箱桁橋とした。この橋梁は重交通下にあることから、疲労に対して厳しい状況にある。
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