| 研究概要 |
マイクロメカニクスの分野で開発され,不均質材料を取り扱うのに有効な手法である等価介在物法を適用して弾塑性問題を線形化し,同時に逆解析における未知数を大幅に減少することを試みた.逆解析を実際に行う段階では,どうしても数値解析に頼ることになる.本研究では有限要素法を使用することとし,それを前提とした定式化を行った.その結果をもとに例題をいくつか解いてみたが,入力データのわずかな変動により解析結果が大き<変化する,降伏条件を満足しない点が生じるなどの問題点が明らかになった.
次年度は,降伏条件を制約条件として取り込む等の工夫を施すことで,不適切性を可能な限り排除し,かつ降伏条件も満足するような逆解析手法を提案したいと考えている.ところで岩盤の材料特性が完全に不明である場合は少なく,事前調査等により,ある程度の情報は得られているのが普通である.ただし,その情報はバラツキを有したものとなっていることが多い.また情報化施工で得られる観測値にはどうしても誤差が含まれる.これらの量を確率的に取り扱うことで逆解析の定式化に取り込み,問題の適切化を図ることも試みる.またそうすることにより,逆解析で要求される事前情報についても検討を加えていく予定である.
なお,この研究の流れの中で,等価介在物法を用いた再解析手法を開発した.また有限要素法を用いた解析で,精度良く応力を算定する方法についても提案を行うことができた.
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