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1997 年度 実績報告書

流れの3次元性に着目した数値流体解析による並列構造物の耐風制振対策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09650533
研究種目

基盤研究(C)

研究機関中央大学

研究代表者

平野 廣和  中央大学, 総合政策学部, 助教授 (80256023)

研究分担者 樫山 和男  中央大学, 理工学部・土木工学科, 助教授 (10194721)
キーワード数値流体解析 / 耐風工学 / 矩形柱断面 / 流れの3次元性 / 大規模解析
研究概要

本研究では、断面辺長比2,4の矩形断面の空力特性と流れの状態をつかむために2次元解析と3次元解析を行い、これらの結果と既存の風洞実験結果および煙風洞での流れの可視化との比較を行った。なお、年初の計画では並列円柱を扱う予定であったが、基本的な断面形状を把握する必要が生じたので、矩形断面を検討することとした。
この結果、偏平箱桁橋に代表される、剥離せん断層が断面前縁で剥離し、断面表面に再付着する矩形断面の正確な空力特性と流れの状態とを数値流体解析で表現する場合には、ある一定のレイノルズ数範囲では3次元解析が必要なことがわかった。主要な結果を以下に示す。
(1)レイノルズ数800を越えた付近から3次元的な流れである軸方向変動流が発生する。2次元解析の適用範囲は、レイノルズ数800以下と考えられる。
(2)3次元解析は、風洞実験結果で示されている空気力特性および流れの状態を定性的に捕らえている。また、前縁で剥離した剥離せん断層が、2.5D〜3.0Dの間で再付着をしている。2次元解析では、この現象を捕らえることは不可能である。
(3)平均圧力係数は、矩形断面前面以外は、2次元と3次元解析とでは全く異なった分布を示す。特に、2次元解析は、変動量が大きい。これが、2次元解析が空気力を過大または過小評価する要因の一つである。
(4)2次元解析では、前縁で剥離した剥離せん断層が、3次元解析や風洞実験で示されている再付着点よりもかなり前方で付着している。さらに形成される渦が強いことから、表面の圧力変動も大きい。これが、変動揚力に高周波成分を生じさせる原因の一つと考える。2次元解析では軸方向変動流を表現できないので、エネルギー散逸を正しく評価できないことによる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 渡辺茂・平野廣和: "矩形断面の空力特性に関する数値流体解析" 日本風工学会誌. 71. 201-202 (1997)

  • [文献書誌] 丸岡晃・平野廣和: "近接する並列円柱の空力特性に関する3次元数値流体解析" 土木学会第52回年次学術講演会. 1-B. 14-15 (1997)

  • [文献書誌] 渡辺茂・平野廣和: "剥離・再付着型矩形断面の流れ特性に関する数値解析" 土木学会第52回年次学術講演会. 1-B. 18-19 (1997)

  • [文献書誌] 平野廣和・渡辺茂: "橋梁断面に作用する静的空気力の2次元・3次元解析の違いに関して" 土木学会第52回年次学術講演会. 1-B. 26-27 (1997)

  • [文献書誌] 平野廣和・渡辺茂: "辺長比2の矩形断面の空力特性に関する3次元数値流体解析" 土木学会構造工学論文集. 44A. 1009-1016 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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