研究概要 |
本研究では、まず、昨年度実施した断面辺長比4の矩形断面の空力特性と流れの状態をつかむための3次元解析を基に、3次元解析で必要な軸方向の分割に関する検討を行った。さらに、複数列並んだ並列構造の解析を実施した。 具体的には、再付着型断面であるB/D=4の矩形断面において、3次元解析を行う場合に軸方向の境界に周期境界条件を用いた時の軸方向長さに関して、以下の結果と判断基準のための指針を得ることができた。 (1) 軸方向長さが0.2D以下では,軸方向の長さが足りず周期境界条件の影響を大きく受ける。そのため、流れそのものが2次元解析で得られた結果とほぼ同様な結果となる。 (2) 軸方向長さが0.8D以下では、揚力係数、モーメント係数の時刻歴に高周波成分が現れる。また、両者の波形の極小値および極大値が、零点近傍までしか到達しない不規則な波形も現れる。 (3) 軸方向長さが0.8D以下では、再付着点近傍以降、背面付近で圧力の過大又は過小評価を生じている。よって、空気力の過大又は過小評価を生じている。 (4) 軸方向長さ1.6Dと3.2Dでは、軸方向変動流、空気力等に両者大きな差異は見られない。 以上より、3次元解析で軸方向の境界に周期境界を用いる場合の軸方向長さの基準として、軸方向長さ1.6D、32分割以上あれば、軸方向変動流速、空気力に変化が見られないことが確認できた。さらに、B/D=4の矩形断面まわりの3次元流れを定性的に再現出来ていると考えられる。よって,一つの判断基準の指針として、軸方向の長さは、1.6D、32分割以上が必要であることが分かった。 複数列並んだ並列構造に関しては、上記で得られた実績を基に、軸方向の分割を決定し、現在、解析を行っているところである。
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