研究概要 |
阪神・淡路大震災では,落橋防止連結板の破壊による橋桁落下事故が生じた。その防止策として連結板装置に衝撃緩衝効果を持つゴムを利用することが提案されている。本研究では,落橋防止連結板を4枚の板の積層板とし座屈を防止した上に,形状をリング形状とし,中央部にゴムや鉛などの材料を緩衝材として用いたものを考案し,衝撃的な外力を受けた場合の挙動を観察することにより,異種材料の組合わせと積層構造の有利性を実験的に検討した。得られた結論を要約すると,緩衝材としての効果はゴムと鉛のように剛性や強度の異なる材料を適切な割合で積層することにより著しく向上することが分った。さらに,外側にゴムのような剛性の小さいものを用い,内側の層に鉛のようなある程度の剛性を持つ材料を用いることで衝撃力を緩和させる効果が期待できることが分った。今後の課題としては,異種材料の選択とその最適な組み合せを理論的に見出すことが挙げられる。これらの成果の一部を1997年11月にオーストラリアで開催された国際会議で発表した。
|